サトイモとイカの煮物は、ねっとりとしたサトイモにイカのうま味が染み込んだ、どこか懐かしさを感じる和食の定番です。
しかし、家庭で作ると「サトイモへなかなか味が染み込まない」「イカが硬くなってしまう」といった悩みもありますよね。
そこで取り入れたいのが、サトイモを塩でもんでぬめりを取り、イカを短時間だけ煮て一度取り出す方法です。
イカのうま味が移った煮汁でサトイモを煮込み、最後にイカを戻すことで、長時間煮込まなくても味の染みたサトイモと、やわらかなイカを一緒に楽しめます。
この記事では、2026年9月2日放送のフジテレビ系『ノンストップ!』内「今すぐできるランクアップキッチン」で、日本料理店「鈴なり」の村田明彦シェフが紹介した、サトイモとイカの煮物の材料や作り方、2つのランクアップポイントをご紹介します。
🦑 村田流・サトイモとイカの煮物とは?
村田流のサトイモとイカの煮物は、サトイモへ短時間で味を染み込ませながら、イカをやわらかく仕上げる工夫を取り入れた煮物です。
サトイモは皮をむいて塩でもみ、表面のぬめりを水で洗い流してから煮ます。
イカはサトイモと一緒に煮続けません。煮汁が沸騰する少し前に加え、表面の色が変わったら、いったんフライパンから取り出します。
イカのうま味が移った煮汁へサトイモを加え、落としぶたをして約10分加熱。サトイモがやわらかくなったら強火で煮汁を飛ばし、最後にイカを戻して味を絡めます。
仕上げに青ネギとユズの皮を散らすことで、甘辛い煮物に爽やかな香りと彩りを添えられる一品です。
🛒 サトイモとイカの煮物の材料
材料(2~3人分)
- サトイモ:5~6個(正味400g)
- イカの胴:1パイ分(正味200g)
- 塩:小さじ1
- 青ネギまたはワケギ(斜め切り):適量
- ユズの皮(千切り):適量
煮汁の材料
- だし汁:2と1/2カップ(500ml)
- しょうゆ:1/4カップ(50ml)
- 酒:大さじ2
- みりん:大さじ2
- 砂糖:大さじ1と1/2
今回使用するイカは胴の部分です。下処理済みの輪切りイカを使用すると、ワタや軟骨を取り除く手間を省けます。
🥔 サトイモの正味400gとは?
材料に記載されている「正味400g」は、サトイモの皮をむき、実際に料理へ使用する部分だけを量った重さです。
皮つきのサトイモは、皮をむくと重量が少なくなります。
大きさや皮のむき方によって減る量が変わるため、サトイモを購入するときは400gよりも少し多めに用意すると安心です。
皮をむいたあとに重さを量り、正味400gを目安に調整しましょう。
🔪 イカの下処理について
丸ごとのイカを使う場合は、胴から足とワタをゆっくり引き抜き、胴の内側にある軟骨も取り除きます。
胴の中を水で洗い、キッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取ってから、1.5cm幅の輪切りにしましょう。
イカの皮はつけたままでも調理できます。
下処理に慣れていない場合は、魚売り場で処理してもらうか、あらかじめ下処理されたイカの胴を利用すると手軽です。
冷凍の輪切りイカを使う場合は、商品に記載された方法で解凍し、水気をしっかり拭き取ってから使用してください。
水分が多く残っていると煮汁が薄まり、イカの生臭さも感じやすくなります。
🍳 サトイモとイカの煮物の作り方
1.サトイモの皮をむく
サトイモを水で洗って土や汚れを落とします。
表面の水気をキッチンペーパーなどでよく拭き取ってから、包丁で皮をむきましょう。
ぬれたサトイモは滑りやすいため、手や包丁にも水分が残っていない状態で作業してください。
皮をむいたサトイモは、大きめのひと口大に切ります。
小さく切りすぎると、煮ている間に形が崩れやすくなるため、少し大きめに切るのがポイントです。
2.塩でもんでぬめりを出す
切ったサトイモをボウルへ入れ、塩小さじ1を加えます。
サトイモの表面をこするように、手でしっかりともみましょう。
もんでいると表面から白いぬめりが出てきます。
手がかゆくなりやすい人は、調理用手袋をつけて作業すると安心です。
3.サトイモを水洗いする
ぬめりが出たサトイモを水で洗います。
表面についた塩とぬめりを洗い流したら、ザルに上げて水気を切りましょう。
この下処理によって、煮汁が必要以上に濁ったり、とろみが強くついたりするのを防ぎやすくなります。
サトイモの表面へ煮汁もなじみやすくなり、短い煮込み時間でも味の染みた仕上がりを目指せます。
4.イカを輪切りにする
下処理したイカの胴を、1.5cm幅の輪切りにします。
幅が細すぎると加熱によって縮みやすく、食感も硬く感じることがあります。
火の入り方をそろえるため、できるだけ均等な幅に切りましょう。
5.煮汁を合わせる
フライパンに、だし汁、しょうゆ、酒、みりん、砂糖を入れます。
砂糖が一部分に固まらないように軽く混ぜてから、火にかけましょう。
鍋ではなく底の広いフライパンを使うことで、サトイモが重なりにくくなり、煮汁も短時間で煮詰めやすくなります。
6.沸騰する少し前に弱火にする
煮汁を加熱し、鍋底から小さな泡が出始めたら、沸騰する直前の合図です。
煮汁が勢いよく煮立つ前に、火を弱火へ落としましょう。
グラグラと沸騰した状態でイカを加えると、急激に火が入り、硬くなりやすいため注意してください。
7.イカをさっと煮る
弱火にした煮汁へ、輪切りにしたイカを加えます。
イカの表面の色が変わり、軽く火が通ったら、すぐに取り出しましょう。
この段階で中心部まで長時間加熱する必要はありません。イカは最後にもう一度煮汁へ戻して仕上げます。
取り出したイカは乾燥しないよう、皿やバットに置いておきましょう。
8.サトイモを煮汁へ加える
イカを取り出した煮汁へ、水気を切ったサトイモを加えます。
サトイモ同士ができるだけ重ならないよう、フライパンの中へ広げましょう。
イカを先にさっと煮たことで、そのうま味が煮汁へ移っています。この煮汁でサトイモを煮ることで、イカを一緒に煮続けなくても、魚介の風味を含ませられます。
9.アルミ箔で落としぶたをする
フライパンの大きさに合わせたアルミ箔を、サトイモへ直接かぶせるようにのせます。
これが落としぶたです。
中央に小さな穴を開けておくと蒸気が抜けやすくなります。
落としぶたをすると、少ない煮汁がサトイモの表面へ回りやすくなり、煮崩れを抑えながら均一に味をなじませられます。
10.中火で約10分煮る
落としぶたをした状態で、中火で約10分煮ます。
火加減が強すぎると煮汁が早くなくなり、サトイモがやわらかくなる前に焦げる可能性があります。
煮汁が適度に煮立っている状態を保ちながら加熱しましょう。
約10分たったら、サトイモへ箸を刺して火の通りを確認します。
中心まで箸がスッと通れば、やわらかく煮えています。まだ硬い場合は煮汁の量を確認しながら、少しずつ加熱時間を延ばしてください。
11.落としぶたを外して強火で煮詰める
サトイモがやわらかくなったら、アルミ箔の落としぶたを外します。
強火にして、残った煮汁を一気に煮詰めましょう。
フライパンを軽く揺すりながら煮詰めると、サトイモを崩しにくく、全体へ均一に煮汁を絡められます。
強くかき混ぜると、やわらかくなったサトイモが崩れることがあるため注意してください。
12.鍋底が見えるまで煮汁を減らす
煮汁を飛ばし、フライパンを傾けたときに鍋底が見えるくらいまで煮詰めます。
煮汁を残しすぎると味がぼやけ、照りもつきにくくなります。
一方で、完全になくなってから加熱を続けると焦げやすいため、少量の煮汁がサトイモへ絡む状態を目安にしましょう。
13.イカを戻し入れる
煮汁が少なくなったら、取り出しておいたイカをフライパンへ戻します。
イカへ火を通すために長く煮るのではなく、濃くなった煮汁を表面へ絡めるように、さっと加熱しましょう。
フライパンを軽く揺すったり、ヘラで下から大きく返したりして、サトイモとイカへ照りをつけます。
14.青ネギとユズの皮を散らす
サトイモとイカを器へ盛り付けます。
斜め切りにした青ネギまたはワケギをのせ、千切りにしたユズの皮を散らせば完成です。
青ネギの彩りとユズの爽やかな香りによって、甘辛い煮物をすっきりと楽しめます。
✨ 時短で味しみ&やわらかく仕上げる2つのランクアップポイント
① サトイモは塩でもみ、ぬめりを取ってから煮る
1つ目のランクアップポイントは、皮をむいたサトイモを塩でもみ、表面のぬめりを水で洗い流してから煮ることです。
下処理をせずにサトイモを煮ると、表面のぬめりによって煮汁が濁ったり、強いとろみがついたりすることがあります。
塩を加えてよくもみ、出てきたぬめりを水で洗い流すことで、煮汁がすっきりと仕上がり、サトイモへ味もなじみやすくなります。
長時間煮込まなくても味の染みたサトイモに仕上げるための、大切な下ごしらえです。
② イカは先にさっと煮て取り出し、最後に戻す
2つ目のランクアップポイントは、イカをサトイモと一緒に煮続けないことです。
煮汁が沸騰する少し前に弱火へ落としてイカを加え、表面の色が変わって軽く火が通ったら、いったん取り出します。
煮汁がグラグラと沸いた状態で長時間煮ると、イカは水分が抜けて硬くなりやすくなります。
イカを先にさっと煮ることで、そのうま味を煮汁へ移しながら、必要以上の加熱を防げます。
その煮汁でサトイモをやわらかく煮たあと、煮汁が少なくなったところでイカを戻し、さっと絡めて仕上げましょう。
この方法なら、サトイモにはイカのうま味を含ませながら、イカそのものはやわらかな食感に仕上げられます。
🥔 サトイモのぬめりは、すべて取る必要がある?
サトイモのぬめり自体は食べられるため、普段の煮物では必ずしも完全に取り除く必要はありません。
ぬめりを残して煮ると、煮汁へ自然なとろみがつき、サトイモらしいねっとりとした口当たりを楽しめます。
一方、今回のレシピでは短時間で味をなじませ、すっきりとした煮汁に仕上げるため、塩でもんで表面のぬめりを洗い流します。
サトイモの内部にあるねっとりした食感までなくなるわけではありません。
表面の余分なぬめりだけを落とすイメージで、塩もみしたあとに水で丁寧に洗いましょう。
🦑 イカを硬くしないための注意点
煮立った煮汁へ入れない
煮汁が激しく沸騰しているところへイカを加えると、表面へ急激に火が入りやすくなります。
煮汁が沸騰する少し前に弱火へ落としてから、イカを加えましょう。
色が変わったら取り出す
イカは表面の色が変わり、軽く火が通った段階で取り出します。
「まだ早いかもしれない」と長く煮続けると、最終的に火が入りすぎる可能性があります。
最後に煮汁へ戻す工程があることも考え、最初はさっと加熱する程度にとどめましょう。
最後は煮込まず、煮汁を絡める
サトイモが煮えたあとにイカを戻したら、再び長時間煮込む必要はありません。
煮詰まった煮汁をイカの表面へ絡め、全体に照りが出たら仕上げます。
🍲 落としぶたを使う理由
落としぶたは、食材へ直接触れるようにのせる小さなふたです。
煮汁が沸くと落としぶたの下で対流が起こり、上側にある食材へも煮汁が回りやすくなります。
少ない煮汁でもサトイモを均一に煮やすく、食材が大きく動くのを抑えられるため、煮崩れの防止にも役立ちます。
今回のレシピではアルミ箔を使うので、専用の落としぶたを用意する必要はありません。
フライパンの内径より少し小さな円形に整え、中央に小さな穴を開けてサトイモへかぶせましょう。
🔥 最後に強火で煮詰める理由
サトイモがやわらかくなったら、落としぶたを外し、強火で煮汁を減らします。
煮汁の水分を飛ばすことで味が凝縮され、サトイモの表面へ濃い煮汁が絡みます。
最後に戻したイカにも煮汁がまとい、短時間の加熱でも、味わいと照りのある仕上がりになります。
ただし、サトイモがやわらかくなる前に強火で煮詰めると、中が硬いまま煮汁だけがなくなってしまいます。
必ず箸を刺してサトイモのやわらかさを確認してから、仕上げの煮詰めに移りましょう。
🌿 青ネギとユズの皮がない場合は?
青ネギやワケギがない場合は、小口切りにした万能ネギでも代用できます。
白髪ネギや、さっと水にさらした長ネギの千切りを添えてもよいでしょう。
ユズの皮が手に入らない場合は、入れずに仕上げても問題ありません。
香りを加えたい場合は、食べる直前に粉山椒を少量ふったり、針ショウガを添えたりする方法もあります。
レモンやほかのかんきつ類はユズと香りが異なるため、使用すると料理の印象も変わります。代用する場合は、皮の表面を少量だけ使い、入れすぎないようにしましょう。
🍽️ サトイモとイカの煮物に合う献立
サトイモとイカの煮物は、だしとしょうゆを使った甘辛い和風のおかずです。
次のような料理と組み合わせると、まとまりのある和食の献立を作れます。
- 白いご飯
- 炊き込みご飯
- 豆腐とワカメのみそ汁
- きのこのすまし汁
- ホウレンソウのおひたし
- キュウリとワカメの酢の物
- だし巻き卵
- 焼き魚
- 冷ややっこ
サトイモを使った煮物には食べ応えがあるため、副菜には青菜のおひたしや酢の物など、さっぱりした料理を合わせるのがおすすめです。
❓ サトイモとイカの煮物に関するQ&A
Q.冷凍サトイモでも作れますか?
A.冷凍サトイモでも作れますが、生のサトイモを塩でもんでぬめりを取る、今回のランクアップポイントは省くことになります。
冷凍サトイモは下処理済みの商品が多いため、凍ったまま煮られるか、解凍が必要かをパッケージで確認してください。
生のサトイモとは火の通る時間や食感が異なるため、箸を刺してやわらかさを確認しながら煮ましょう。
Q.イカの足も使えますか?
A.イカの足も食べられます。
ただし、今回の基本レシピでは胴の部分を使用します。足を加える場合は吸盤の硬い部分などを取り除き、食べやすい長さに切りましょう。
胴とは厚さや火の通り方が異なるため、加熱しすぎないよう注意してください。
Q.イカはなぜ一度取り出すのですか?
A.サトイモと一緒に長く煮て、硬くなるのを防ぐためです。
最初にさっと煮てうま味を煮汁へ移し、サトイモを煮たあとに戻すことで、やわらかさを保ちながら味を絡められます。
Q.サトイモは下ゆでしなくてもよいですか?
A.今回のレシピでは下ゆでせず、塩でもんでぬめりを洗い流してから煮汁へ加えます。
下ゆでの工程がないため、準備にかかる時間を抑えながら作れます。
Q.煮汁がなくなる前にサトイモが焦げそうな場合は?
A.火を少し弱め、フライパンを軽く揺すって煮汁を全体へ回してください。
サトイモがまだ硬いのに煮汁が少なくなった場合は、だし汁または水を少量加え、やわらかくなるまで加熱しましょう。
Q.サトイモが煮崩れてしまう原因は?
A.サトイモを小さく切りすぎたことや、やわらかくなってから強くかき混ぜたことなどが考えられます。
大きめのひと口大に切り、煮詰めるときはヘラで何度も混ぜず、フライパンを軽く揺するようにしましょう。
Q.ユズの皮は必ず必要ですか?
A.ユズの皮がなくても作れます。
ただし、仕上げに散らすと、甘辛い煮物へ爽やかな香りが加わります。ユズが旬の時期には、少量を千切りにして添えるのがおすすめです。
Q.作り置きできますか?
A.冷蔵保存はできますが、イカは温め直しによって硬くなりやすいため、加熱しすぎないようにしてください。
保存するときは粗熱を取り、清潔な保存容器へ入れて冷蔵庫で保存し、早めに食べ切りましょう。
温め直す場合は、必要な分だけを弱火または電子レンジで加熱するのがおすすめです。
🦑 2つのプロの技で味の染みたサトイモとやわらかなイカを楽しもう
村田流のサトイモとイカの煮物は、長時間煮込まずに、味の染みたサトイモとやわらかなイカを目指せる一品です。
1つ目のランクアップポイントは、皮をむいたサトイモを塩でもみ、表面のぬめりを水で洗い流してから煮ること。
余分なぬめりを取り除くことで、煮汁をすっきりと仕上げながら、短時間でも味をなじませやすくします。
2つ目は、イカを最初にさっと煮て取り出し、サトイモを煮終えてから戻すことです。
イカのうま味を煮汁へ移し、その煮汁でサトイモを約10分煮ることで、イカを長く加熱しなくても魚介の風味を含ませられます。
サトイモがやわらかくなったら、落としぶたを外して強火で煮汁を減らし、鍋底が見えるほど煮詰まったところでイカを戻します。
濃くなった煮汁をさっと絡めれば、照りのあるサトイモと、硬くなりにくいイカを一緒に楽しめます。
仕上げに青ネギとユズの皮を散らし、香り豊かなサトイモとイカの煮物を味わってみてはいかがでしょうか。
